若年性歯周病の患者さま

若年性歯周病とは

歯周病は、歯の周りの支持骨と歯ぐきや歯根膜と呼ばれる歯と支持骨を結び付けている結合組織に炎症がおこり組織破壊が生じ、最終的に歯が抜けてしまう病気です。炎症をおこす原因は、歯と歯ぐきの境目に溜まる細菌です。

一般的な歯周病(慢性歯周炎)は、40代前後から発病することが多いですが、若年性歯周病(侵襲性歯周炎)は20代からも発病します。その原因はいまだ明らかにされていませんが、Aggregatibacter actinomycetemcomitans (A.a)と呼ばれる細菌が関係していると考えられており、家系的に発病が認められることもあります。そのため、細菌に対する免疫応答に特徴がみられる遺伝的な要因が絡んでいると考えている研究者もいます。

若年性歯周病は、以前は早期発症型歯周炎とも呼ばれ年齢的に若い方に認められ歯に動揺をきたしたり、歯ぐきが赤くなって出血してきたりするため、つねに頭の中で歯が抜けるのではないかという恐怖心が芽生え、気にされ、精神的に疲労されている患者さまもおられます。

若年性歯周病の中にも、臨床的にはいろいろなタイプがあるのではないかと考えている歯周病専門医もあり、わたしもそのように考える一人です。

若年性歯周病の患者さんには、歯周病治療を適切に行うと中年期以降歯周病の進行がぴたっと止まる方もおられるのです。

近年、歯ぐきの周りに炎症をおこす原因は細菌だけではないことが認識されるようになってきました。喰いしばりや歯ぎしりなど歯に大きな力が働くと炎症が生じます。

過剰な力の負担が生じている歯の歯周病は、治すことが難しく、わたしたち専門医が対応しても、残念ながら抜歯をしなければならないケースも存在します。そして、抜歯を行うことで悪さをしていた細菌の棲家がなくなり治癒に向かってくれます。しかしながら、若年期に歯を喪失してしまう辛さは、わたしども医療人でも筆舌に尽くしがたいものだと容易に想像できます。

現在抱えておられる若年性歯周病の患者さまの心配な点などが高山歯科医院で少しでも緩和されることにつながれば幸いです。

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